気になるタイトル『親の年金をつかってキャバクラ』という言葉は、スウィングに在籍する増田政男さんの過去を表したもので、今回のテーマにもなっています。今でこそ笑い話として語られるこの言葉には、その裏側にたくさんの苦悩や葛藤があったといいます。
本展では、このテーマ(増田さんの過去のエピソード)とともにこれまで行ってきた様々な活動を見ていくことで、私たちの中にある価値観や概念(「普通」と は?「障害者・健常者」とは?「アート」とは?)が少しでもほぐれるきっかけとなれば良いという想いが込められています。
あわせて展示される、増田さんの実家にあった家具や家族写真は、鑑賞者にとってもどこか懐かしく、より身近なものとして捉えることが出来るのではないでしょうか。
本展は京都の他、これから全国各地を巡回する予定です。
詳細は会場で配布しているフリーペーパー及びスウィングさんのブログにてご確認ください→http://garden.swing-npo.com/?eid=1400570
2週間の会期となっています。
ぜひご来場ください!
会期:2018年7月31日(火)〜8月12日(日)
時間:12:00〜19:00(8/4(土)/最終日は17:00迄)
※8/6(月)は休廊
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〈NPO法人スウィング〉 http://www.swing-npo.com/
作品だけが「アート」なのだろうか? そうではない気がする。
芸術創作活動「オレたちひょうげん族」から生まれ出る表現の数々は、時に「アート」と称される。そうなのかもしれない。でも、本当はそんなのどっちでもいいし、むしろ生まれ出た後のものより、生まれ出るまでの過程をこそ大切にしたい。そしてスウィングの「社会を今よりほんのちょっとでもオモシロくしたい!」という願いに基づく数々の実践、「既存の価値観や固定観念を揺るがせる」「ギリギリアウトを狙う」「OKやセーフや余白を広げる」「日常に“抜け” を創る」等のコンセプトを俯瞰してみた時、かなり確実な手触りを持って「ソーシャルアート」という言葉が思い浮かぶ。なんかもう、作品だけを「アート」と 呼ぶのは違う気がするし、もはや作品と作品でないものの区別すらつかなくなってしまっているのが今の「アート」である。いや、区別などつけなくていいのだ と思う。それが作品かどうかなんて、あるいは「アート」かどうかなんて、結局のところ、自分だけが決められるものなのだから。いずれにせよ、言葉は後から ついてくるものである。そこに依りかかり過ぎてはいけないし、酔ってしまってはいけない。この「SWING EXPO」があなたの心をユラユラ心地よく揺らし、ほんのちょっと世界の見え方を変える、そんなきっかけになればいいなと願う。
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※スウィングさんとは、同時代ギャラリーで2016年10月に開催した開廊20周年記念展「同時代・アンデパンダン展」の際にご縁があり、この度弊廊にて展覧会を開催していただき、誠にうれしく思います。